新世紀エヴァンゲリオン 漫画完全ガイド - 貞本エヴァのすべてを解説
新世紀エヴァンゲリオン 漫画完全ガイド - 貞本エヴァのすべてを解説
「エヴァ」という言葉を聞いただけで、胸が高鳴る人は少なくないだろう。アニメ放送から30年近くが経過した今も、新世紀エヴァンゲリオンは世界中で新しいファンを生み出し続けている。そしてアニメと並行して語られるべき存在が、貞本義行による漫画版だ。この記事では、新世紀エヴァンゲリオン raw 漫画として検索されることの多い本作について、その全体像、魅力、アニメとの違い、そして作品を正しく楽しむ方法までを詳しく紹介する。
そもそも「新世紀エヴァンゲリオン」とはなにか
『新世紀エヴァンゲリオン』は、GAINAX制作による日本のアニメーション作品だ。庵野秀明の原作・監督のもと、大災害「セカンドインパクト」が起きた2015年の世界を舞台に、巨大な汎用人型決戦兵器「エヴァンゲリオン」のパイロットとなった14歳の少年少女たちと、謎の敵「使徒」との戦いを描く。シンプルに言えばロボットアニメのように見えて、その実、人間の心理や実存的な問いを真正面から扱った作品である。
1990年代の日本における第3次アニメブームのきっかけとなり、その影響は社会現象と評された。「エヴァ以前・エヴァ以後」と語られるほど、日本のポップカルチャーに深い爪痕を残した。
漫画版の誕生 - アニメより先に始まった物語
ほとんどの人が「アニメが原作、漫画はコミカライズ」と思い込んでいる。しかし話はそう単純ではない。アニメシリーズはマンガより先に構想されたが、制作の遅れにより、漫画は1994年12月26日に角川書店の月刊少年エースに先行して発売された。つまり世の中にエヴァンゲリオンという作品が姿を現したのは、アニメではなく漫画が最初だったのだ。
この漫画は、同名テレビアニメにおけるキャラクターデザイン担当者・貞本義行による同作のコミカライズ作品であり、通称は「貞本エヴァ」と呼ばれている。キャラクターデザインをした本人が物語を描き直すという、メディアミックスの歴史の中でも異例のアプローチだった。
アニメシリーズは最初に構想されたが、制作の遅れにより、漫画はテレビ放送の10ヶ月前にシリーズのお披露目として先行発売されることになった。当時の読者が「漫画が原作だ」と誤解したのも、無理はなかった。
連載の軌跡 - 18年以上にわたる長い旅
この漫画は約20年にわたって連載され、1994年12月26日から2013年6月4日まで月刊少年エース(1994〜2009年)とヤングエース(2009〜2013年)で掲載された。全96話と番外編1話、単行本全14巻で構成されている。
18年という連載期間は長大に聞こえるが、実際のページ数は決して多くない。その理由が貞本の不規則な執筆ペースにある。月刊少年エースでは毎月1話(ステージ)の掲載が建前だったにもかかわらず、貞本は他のプロジェクトとの間で時間を割いていたため、実際の掲載スケジュールは不規則で、新しい巻を出すのは平均して約1年半ごとだった。
例えば、第4巻と第5巻の日本での出版の間に、2年の時間が経過した。それでも読者は待ち続けた。それほどまでに作品への信頼と愛着が深かったということだ。
2009年3月に新たに創刊された角川書店の漫画誌『ヤングエース』への移籍が発表され、2009年7月より同誌で連載が再開された。そして2013年7月号で完結し、単行本は全14巻がカドカワコミックス・エースより発行されている。
漫画版のあらすじ - 碇シンジの孤独と戦い
西暦2015年、14歳の少年・碇シンジは10年以上前に彼を捨てた父・碇ゲンドウに突然呼び出され、謎の生命体・使徒に襲撃される第3新東京市で、それを殲滅するエヴァンゲリオン(EVA)の初号機に乗り戦うよう命じられる。シンジは父を憎みながらも反発心から乗る決意をし、恐怖に耐えながら使徒に挑む。
父と子の断絶。少年の内向きな自己認識。そして世界の終わりという途方もないスケールの問い。この三つが常に絡み合いながら物語は進む。物語はシンジ・イカリとその整合性、トラウマ、人間とのつながりとの葛藤に特に焦点を当てながら、エヴァンゲリオンと呼ばれる生体機械兵器をパイロットとして操縦するために募集された十代の若者たちのグループを追う。
アニメ版と漫画版、何が違うのか
「貞本エヴァはアニメとどう違うのか」は、エヴァファンの間で長年語られてきた問いだ。答えはシンプルに言えば「同じ素材を使った、別の料理」である。
この作品はエヴァンゲリオンTVシリーズの物語の別バージョンの語り直しであり、別の連続性を構成していて、基にしているシリーズから微妙かつ明白な変化が多数ある。
シンジは典型的な少年ロボットの主人公のように、アニメよりもはるかに皮肉と気骨を持って行動する。アニメのシリーズに比べて、はるかに幼稚で内省的でない。つまり漫画版のシンジは、アニメ版で多くの視聴者を悩ませた「なぜ動かないのか」という問いから解放された、より行動的なキャラクターとして描かれているのだ。
漫画版エヴァは、アニメ版よりわかりづらかった用語や設定がその都度登場人物の口からしっかりと語られるため、ストーリーの全体像が非常に掴みやすい。ストーリーも基本的には時系列順に並べられており、本筋に関わらないサブストーリーはカットされ、その分各キャラクターの背景の掘り下げに時間があてられている。
貞本自身もその姿勢をはっきりと語っている。「エヴァのすべてのバージョンに異なるエンディングがある。漫画も異なるエンディングを持つだろうと思う。作品として、エンターテインメントが最も重要なので、漫画をアニメと同じにすることはできない」という言葉には、単なるコミカライズを超えた独立した創作意識が滲む。
「貞本エヴァ」の漫画としての完成度
売上という観点からも、この漫画の評価は揺るぎない。エヴァンゲリオン漫画版は単によく売れたものを超えて、ロボットを素材にした日本の出版漫画の中で最もヒットした作品のひとつであり、角川の公式集計では11巻時点で2000万部を販売したと記録されている。完結した14巻発売時点で2500万部を突破した。
最終回が掲載された雑誌ヤングエース7月号(6月4日発売)が全国の書店にて完売店が続出し、漫画雑誌では異例の次号再掲載されるという伝説を残している。これほどまでに最終回の反響が大きかった漫画は、日本の漫画史においても珍しい。
スピンオフ・関連漫画の世界
エヴァの漫画作品は貞本エヴァだけではない。エヴァンゲリオンアニメシリーズに基づいていくつかの漫画シリーズが開発されており、最初の漫画はアニメシリーズの直接的な翻案だが、後続のものはいくつかの違いを持つスピンオフシリーズだ。
文野初の作品『新世紀エヴァンゲリオン アンジェリック・デイズ』は2003年から2005年にかけて月刊アスカに掲載された。全6巻で、ゲーム『鋼鉄のガールフレンド2nd』をベースにしており、最終話の「もしも」のシナリオから派生した別の現実を舞台に、主人公たちのロマンチックな関係に焦点を当てている。
また別のシリーズとして、高橋オサムによる『碇シンジ育成計画』があり、月刊少年エースに2005年6月から2016年2月まで掲載され、全18巻が発行されている。これらのスピンオフは、正史とは切り離したライトな楽しみ方ができる作品群だ。
「愛蔵版」という新しい入り口
完結から数年後、作品は新たな形で読者のもとへ届いた。2021年1月26日よりコミックス2巻分を1冊に収録し、各巻ごとに豪華なグッズが付いた『愛蔵版・新世紀エヴァンゲリオン』の発売が開始された。新たに描き起こされた表紙イラストや付録が加わり、既存ファンにとってもコレクター的な価値が高い。
愛蔵版は全7巻構成で、もとの単行本2冊分の内容が1冊にまとめられている。ページ数が多い分、じっくりと世界観に浸れるという意味では、初読者にも向いているフォーマットだ。
raw 漫画を探す前に知っておくべきこと
インターネットで「新世紀エヴァンゲリオン raw 漫画」と検索する人の多くは、日本語で本作を読みたい、あるいは未訳の最新情報にアクセスしたいという動機を持っているはずだ。その気持ちは理解できる。ただし、無許可のrawスキャンデータをサードパーティサイトで読むことは、著作権法に抵触する可能性が高い。
原作者の貞本義行と出版元のKADOKAWAの権利を守ることは、こうした作品が今後も生み出される環境を守ることに直結する。正規の電子書籍サービス(KindleやBookWalkerなど)を通じて日本語原文を読む方法が、現在では整っている。raw形式で日本語漫画を読みたいなら、そうした正規プラットフォームを利用することを強くすすめる。
海外向けには英語翻訳版がViz Mediaからすでに全巻発売されており、デジタル版も入手可能だ。多言語版の普及もあって、世界中のファンがアクセスできる環境が整っている。
漫画版を読む順番 - どこから始めればいいか
エヴァンゲリオンの漫画をどこから読むかは、読者の目的によって変わる。
アニメを見たことがない人には、貞本エヴァ(全14巻)を第1巻から順番に読むことをすすめる。漫画版はエヴァンゲリオンという作品の最大の難点である「ストーリーや表現が難解」という点を見事にクリアしており、エヴァの入門書として機能する。
アニメを見終わったファンには、漫画を「別解釈の物語」として楽しむ読み方をすすめる。登場人物の描かれ方、とくにゲンドウやアスカの扱いがアニメと大きく異なり、新鮮な驚きが待っている。スピンオフに興味があるなら、まず貞本エヴァを読了してから手を伸ばすほうが、世界観への理解が深まる。
なぜ今もエヴァンゲリオン漫画は読まれるのか
最終巻が出てから10年以上が経った今も、「新世紀エヴァンゲリオン raw 漫画」という検索ワードが絶えない。それはシンプルな理由からだ。時代が変わっても、この作品が問い続けるテーマ - 自己受容、他者との関係、孤独の意味 - は色褪せない。
このフランチャイズはメカアクションと心理ドラマ、哲学的探求を融合させた日本のSFだ。そのすべてが漫画という紙の上で、貞本義行の繊細な線で描き出されている。アニメで庵野秀明が映像で表現したものを、貞本は独自の感性でコマに閉じ込め、読者の内側に静かに響かせる。
デジタルの時代になり、漫画へのアクセス方法は変わった。しかし貞本エヴァの魅力はどの時代にも通用する。初めて読む人も、何度目かの読み返しをする人も、きっとページを捲るたびに新しい発見がある。それがこの作品の、本当の強さだ。